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The eyes of a girl somehow I could not forget.
A street of Varanasi, Inida 1980 photo by Bon Ishikawa
あれは20のとき、初めて訪れた外国、インド。自分の可能性を信じて撮影に挑戦したが、なにひとつ思うように撮れず、絶望の日々だった。そんなある日、ガンジスのほとりで道に迷い、この少女に出会った。
不思議な目をした少女だった。カメラを向けても、目をそらすこともしない。たぶん4,5歳くらいだと思う。撮影時間は2,3分だっただろうか、まばたきすらせずにじっと自分をみつめていたのがとても印象的だった。
あれから27年の日々が過ぎたが、いまでも時々あの瞳を思い出す。何かが起こったわけでもない、言葉を交わしたわけでもない。しかし記憶のどこかにこびりついて離れないそんな一瞬。
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南西ネパールの、タライ平原
大穀倉地帯が続く、ほんとに、田舎の農村です。
ヒマラヤの村々と違った、不思議な世界です。
よく、このあたりに、通いつめました。
秋の、チョウダリ•タルー族と、春の、ラナ•タルー族の祭りは…
舞姫たちが、踊り続ける、素晴らしい祭りだと思います。
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タライ平原の大きな太陽が沈もうとする頃…
ドラムの,激しくも,何とも心地よいリズムが,風に乗って,聞こえてきます。
西ネパールの、ラナ•タルーの村では,祭りが始まろうとしています。
西アフリカでも感じたのですが…
ドラムのビートは,不思議と,安心感を与えてくれます。
それが、ロービートでもハイビートでも…
心臓の鼓動と,シンクロナイズしているみたいです。
タルーのドラマーの写真を撮ろうと,地面に這いつくばって,超広角レンズで,ファインダーをのぞきました。
ドラムの,空気の波動が,確かに,僕に伝わってきました。
Led Zeppelinのドラマーだった,ジョン•ボーナムのグルーブみたいで…
ドラマーは,このまま,10時間以上ビートを刻み,それが1週間以上続きました。
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西ネパール,ラナ•タルー族の、女の子たちは…
日常で,こんな、「ガンガリア」という、カラフルなドレスを着ています。
みんな,お手製で、おばあちゃんや,お母さんから,裁縫を受け継いでいます。
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100年昔の,インドの1ルピー銀貨。
びっしりと着飾った,西ネパール、ラナ•タルーの舞姫。
僕が最初に,この村を訪れたのは,25年以上前のことです。
インドから、国境を,偶然迷い込んで,たどり着きました。
その日は,祭りでした。
当時,ラナ•タルーの祭りは,大きな大木で,巨大なたき火を作り,かがり火の中で,舞姫たちが,夜明けまで,踊り続けていました。
個性的な服装,独特の家の作り,不思議な伝説…
ものすごく,衝撃を受けてしまいました。
それから数十年。
付近には,立派な感慨水路が完成し,未舗装ですが,街へ通じる,車道も完成しています。
1ルピー銀貨のドレスを,身に着けた女の子たちの数は,圧倒的に,少なくなりました。
「古い文化が,だんだんと,消えていってしまうなあ」
村の古老が,そうつぶやいていました。
外国人が,この村を訪れるのは,今でも,ものすごく,限られた人たちだけです。
ネパールの西の果てで,アクセスの方法も,村の紹介も,どんな言語のガイドブックにも,記されていません。
「おまえは、二人目の外国人だったよ」
村ができた時から、暮らしてきた,古老はそういいました。
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祭りが始まる,日没。
稲の香がただよう、西ネパール,カルカッタ村。
力強いドラムの音が,乾いた空気に乗って,遠くまで,届いていました。
近くの村からも,たくさんの人たちが,集まってきました。
祭りの日は,アドレナリンがわき出し,不思議な興奮があります。
ふと,目線を屋根に向けると…
大きな鳥が一羽。
ドラムの,心地よいグルーブに、仲間入りしているようでした。
シルエットになった,鳥の頭を見ると,クジャクでした。
この村には,どこからともなく,よく,クジャクがやってきます。
隣村の,大きなつぼに書かれた,絵巻物語には,たくさんのクジャクたちが,描かれていました。
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ネパールの南西の果ての村。
ラナ•タルー族の村に,いつも、泊めてもらっている家があります。
大きな壷が,たくさんあって、このあたりは、豊かな穀倉地帯です。
70年くらい前までは,亜熱帯のジャングルで,無人地帯でした。
開拓を許され,移住してきた,ラナ•タルー族の起源は、謎でいっぱいです。
その昔,インド、ラジャースタンの王族の末裔である…
そんな伝説もあります。
しかし、証拠に乏しく,いろいろな説が飛び交っています。
僕も,色々調べましたけれど…
どの説も,推測の域を出ていないようです。
お世話になっている家の,おじいちゃんや,おばあちゃんと,いろりを囲みながら聞く昔話。
わくわくするような昔語りを聞きながら,森の奥から,動物の鳴き声が響いてきます。
(昔語りの伝説の話は,また、いずれ、書くことにしましょう)
謎を解いていくよりも,不思議なものは,そのままであってほしい…
今の僕は,そう思ってしまいます。
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