「氷の回廊」 ノートブック 5
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世話をしなければならないヤギたちを連れてきている子は、ヤギたちが逃げだしやしないかと、時折、口笛を鳴らし、ちょっとでも異変を見つけると、授業中だろうと飛び出してゆきます。時折、ガラ〜ン・ガラ〜ンと、カウベルの音が東の峠の方から聞こえてくると、先生も子どもたちも、じっとその方角を見つめています。街からのキャラバンの音なのです。
「お〜い、テンジン! 畑の刈り入れ手伝っておくれ!」
テンジンの母さんが、学校に呼びに来ました。
「しょうがないなぁ。親たちは子どもたちを貴重な労働力と考えているから、なかなか学校に行かせようとしないんだ……。でも、その考え方も変わりつつあるよ」
カルマ校長は、テンジン少年を笑って畑に送り出しました。村の中で世界は完結しているけれど、助け合って生きていく姿がここにはあります。
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