「氷の回廊」天空の村へ Over the hill and far away
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When traveling in Zanskar In India during summer time, I should cross many passes over 5000m.
Once standing on the pass, valley and villages spreading in front of me, makes me feel happy.
I used Leica R6.2 100mm Apo Macro.
僕がヒマラヤに魅せられたのは、一七歳の頃、友人が持ってきて見せてくれた、一冊の古ぼけた雑誌を見てからでした。
そこには、雪をかぶったヒマラヤの山々を背景に、赤茶けた大地に立つ、たぶんチベット人であろう少年が、手に持った氷をじっと見つめている写真が掲載されていました。
次のページをめくると、そこは彼の住んでいるらしい村の写真で、黄金色の大麦の畑が一面に広がっていました。すでに刈り入れが始まっているようで、子どもたちが刈り入れを手伝っている石造りの家の前には、黄金色の麦の山があり、小さな水たまりには薄く氷が張っていました。
そうだ、きっと少年はこの氷を見つめていたんだろう……。
僕はなんだか恋心に憑かれたような、不思議な気分でした。知らないうちに、過酷な大地にたくましく生きる人たちに魅せられていたのでしょう。
この少年は、いったいどこに住んでいるのだろう? そして、どんな暮らしをしているのだろう?
すっかりその写真に心を奪われた僕は、その晩、雑誌を一気に読み通しました。そこは、チベット高原の西の果て、ザンスカールという名前の土地だということがわかりました。
僕は、雑誌を貸してくれた友人と、いっしょにその土地を訪ねてみようと約束をしました。
一七歳の無垢な思い込みは、そのままストレートに燃え上がり、さっそく必要な装備も調達し、出発は目前でした。しかし、友人の突然の死が旅の計画を打ち砕きました。兄弟のように、いつもいっしょに山々を歩いてきた友人の朝倉は、天空の村へと一人で旅立っていってしまったのです。
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